ロゴジェネレーターで自動制作したロゴってどうなの?|デザイナーが評価してみた

自動でロゴを作ってくれる「ロゴジェネレーター」ってどの位の実力なのか気になりませんか?

先日ロゴを作るためのソフト・ジェネレーターの紹介をする為の記事を書いたのですが、同じ会社のロゴとして作ってみた場合、どの様な感じになるのかという事が気になったので実際に作ってみました。

今回は4種類のロゴジェネレーターで制作してみた会社のロゴを評価して格付けしていこうと思います。

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▸ロゴジェネレーターと制作したロゴの評価

架空の会社を例にしても良かったのですが、とりあえず今回は自社ロゴをモチーフに作ってみました。

▸LOGASTER – 実質有料

1つ目のジェネレーターは「LOGASTER」で、会社名とビジネスタイプを入れると制作が可能です。

ビジネスタイプで勝手にモチーフを選定してシンボルマークを選んでくれるので、何をモチーフにロゴを作ろうか悩んでいる方にはいいかもしれません。調整できるのは色味と文字のバランスだけなので、お任せ制作に近い感じでアレンジは効きにくいです。ただ、ロゴの種類は数百でバリエーションはあります。

料金は無料でも制作可能なのですが、かなり小さいサイズで画像を見ていただくと分かる様に、サイトに載せるだけでもかなり引き延ばさないとダメな感じです。あとサイトの印字が右側に入ってしまいます。

普通サイズで購入すると約20ドル(2,200円程度)でjpegとpng画像を手に入れることができます。

ロゴは自社のロゴコンセプトに寄せたモノにしたのですが、シンボルマークとロゴタイプ部分のバランス的にも調整しきれていないのと、シンボルのモチーフ自体も少しハッキリし過ぎている様に思います。

調整が効かないので、セリフ体をサンセリフ体のフォントに換えたりできない辺りもマイナス評価です。

ただ、シンボルと文字の組み合わせの数が非常に多いので、他の人とロゴが被りにくいというのは利点かもしれません。じっくりと自分に合ったロゴを探し続ければピッタリのモノに出会えるかもしれません。

参考サイトLOGASTER

▸LOGO FACTORY – 無料

2つ目のジェネレーターは「LOGO FACTORY」で、シンボルとロゴタイプを別々に作成が可能です。

しかもシンボルとロゴタイプについて「大きさ・位置・フォント」を変更できるので、アレンジの効くジェネレーターになっています。特徴はシンボルマーク自体の質が高めでオシャレな部分が挙げられます。

ただ、デメリット的な部分としては、UI的にシンボルのモチーフを検索しにくいという点と、シンボルの種類が他よりも少ないので人と被りやすい点、わりと見たことがあるテイストのシンボルが多い点です。

単に見たことがある様なテイストのロゴであるだけであればいいんですが、著作権侵害に関してはユーザーが責任を負う規約になっているので、使おうと思っているシンボルマークがどこかの会社やデザイナーのロゴの権利を侵害してる可能性も否めない点でかなり注意が必要だと感じています。結構コワイです。

この点については他のジェネレーターにおいても付きまとう問題なのですが、他のジェネレーターはシンボルが結構単純だったりするので、ある意味著作権を主張できないレベルで大丈夫そうという感じです。

料金も完全に無料で使える様になっていて良心的ですし、今回使ってみたジェネレーターの中ではロゴ自体のクオリティーも高いと思うのですが、その分だけリスクもあるので注意して使う様にしたいですね。

参考サイトLOGO FACTORY

▸LOGO GARDEN – 有料

3つ目のジェネレーターは「LOGO GARDEN」で、2つ目と同様に自由にシンボルと文字を組めます。

元々用意されているシンボルは全てモノクロですが、色味は自分で変更可能です。検索ができるのでモチーフは見つけやすいのは良い所です。それに、フォントの種類が豊富なのも良いポイントだと思います。

シンボルと文字の大きさなども調整可能なので、わりとアレンジの幅は広いのが特徴になっています。

ただし、シンボル自体はそこまで洗練されていないというか、わりとありきたりなモチーフなのでロゴとしての仕上がりはそこまで期待はできません。色も単色でしか表現できないのもデメリットの1つです。

また、制作したロゴをダウンロードするには約12.5ドル(1,400円程度)必要になるので、その点も含め使うべきか悩むサービスではあります。シンプルなロゴでいいなら調整すればアリかもしれませんね。

参考サイトLOGO GARDEN

▸flamingtext – 無料

4つ目のロゴジェネレーターはコチラの「flamingtext」で、ロゴタイプのみ制作可能になっています。

文字を入力するだけで様々なパターンのロゴタイプを作ってくれるのですが、ほとんどがインターネット黎明期のバナーの様な派手な感じなのであまり期待はできないというのが正直な感想になっています。

このジェネレーターを使うのであればまだ「Power Point」などで文字を並べて少し加工する様な方が良いと思いますので、日本語にも対応しているのは地味に良いのですが、残念ながら推奨はできません。

参考サイトflamingtext

▸ロゴジェネレーターとロゴについての考察

ジェネレーターが高性能になればロゴデザイナーは必要なくなると言いますが、ディープラーニングが進化して完全にオリジナルかつロゴに意味を持たせられる様にならなければそんなことは無いと思います。

ロゴジェネレーターの話をする時に大事なのは、ロゴに対して以下の2つをどう考えるかという点です。

・ロゴを作る事の意味

・著作権(オリジナリティ)

まず、そもそも何でロゴを作るのかという意味の部分ですが、もし単純に「何となくマークみたいなモノがあった方が便利でいいな」って方は、ロゴジェネレーターでロゴを作るのでも充分かもしれないです。

詳しくは他の記事等でも書いているのでそちらを参照してもらいたいですが、ロゴは単なる便利なマークではなくて会社やサービスを象徴するブランディングの1つなので、自動制作のジェネレーターではなかなかそこまで理念やビジョンを組み込んで愛着の持てるロゴは作りにくいというのが正直なところです。

また、ジェネレーター自体の紹介でも触れましたが、ジェネレーターで作ったロゴは著作権的に不透明な部分が多いので、自社ブランドのロゴとして使うにはなかなかリスクが高いという事が挙げられますね。

権利関係で問題になるシチュエーション以外にも、人とロゴが被る場合もあって、似たロゴを掲げて「ブランディング」というのも難しい話なので、ブランドが重要な分野でジェネレーターは使いにくいです。

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まとめ:ロゴジェネレーターで自動制作したロゴをデザイナーが評価

今回はジェネレーターに焦点をあて、実際どの位のクオリティーのロゴが作れるのか評価してみました。

パッと見た時の見た目は良さそうな感じのロゴが作れるサービスもあるんですが、それにただのマーク以上のものがあるのかと言えばそうではないと思いますし、ロゴとしての実用性はあまりないと思います。

ただ、自社ロゴとしてはなかなか使えないとは思いますが、何かのサービスのデモだったり、小さな社内イベントなどで使うのには充分だと思います。色々試しに作ってみると楽しいのでおすすめしたいです。

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