ロゴデザイン制作のご依頼と料金・費用の相場について

デザイン事務所「MONO JOURNAL」がデザインの中で最も得意としているのは「ロゴデザイン」です。

ロゴは企業や個人のブランディングをする上での1つのポイントとなる部分で、シンボルとして長く使われるグラフィックだからこそブランド価値を上げられるロゴに仕上げる事を使命として取り組んでいます。

本記事ではご依頼可能なロゴについての説明とQ&Aに加えて、ロゴデザイン制作に関する基礎知識・制作工程・料金相場について解説しています。ご依頼を検討される際の指針にしていただければと思います。

著者 荒木大地  / グラフィックデザイナー / ▸Twitter (@d_arakii)

博士号を取得後、東京大学にて特任助教として研究と教育に従事。在学時よりデザインの業務を開始しデザイン事務所を設立。Adobe Creative Residency (2021)

MONO JOURNALのロゴデザイン制作

ロゴ制作の料金について

ロゴ制作の料金につきましては、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

限られた予算でのご相談をお断りするのではなく、なるべく多くのお客様にロゴのご提供をさせていただきたいと思っておりますので、ご予算内で出来る事のご提案をさせていただきます。ご予算によってロゴの質が変わるワケでは無く、ラフ案のご提案数などを変える事で調整させていただきますのでご安心ください。

初めてデザインのご依頼をされるような個人のお客様や中小企業のお客様からのご依頼・ご相談も多く受けておりますし、丁寧に工程等も説明させていただきますので、まずは一度ご相談いただけますと幸いです。

ロゴデザイン制作の流れ

ご制作についての確認・お見積りのご提示(無料)

まずはご制作の概要に関してクライアント様のご情報やご要望に関してお伺いさせていただき、お見積りをご提示させていただきます。ご相談がある場合には、無料でお受けさせていただきます。

ロゴについてのヒアリング

お見積りにご納得いただきましたらロゴについてヒアリングをさせていただきます。「ターゲット・どう思われたいか・どういう理念があるのか」など、色々な観点でロゴデザインに反映したい内容をお話させていただきます。

お打ち合せは近隣であれば実際に対面でお伺いさせていただく事も可能ですし、ZOOMなどのビデオ会議やメールのみでヒアリングを進めさせていただく事も可能ですので、それぞれご要望に合わせて進めさせていただきます。

ロゴデザイン(ラフ提案・プレゼン)

ヒアリングの内容に沿って2~3案程度のロゴのラフ案をご提案させていただきます。ラフ案といっても各デザイナーによって進行具合は異なりますが、MONO JOURNALの場合は、ほぼ納品可能な状態でご提示しております。

ラフ案のプレゼンではどういったモチーフでロゴをお作りしたのか、どういう意味合いがこもっているのか等、ご制作したロゴデザインについてご説明させていただきます。ロゴデザインの制作期間は約2週間程度になります。

修正・案決定

ご提示した案の中で、採用したい案をご決定いただきます。特に修正が無い場合は仕上げの調整を行ってご納品に進めさせていただき、修正やご要望がある場合はフィードバックをいただき、ロゴにご反映させていただきます。

ロゴデザイン(本案・プレゼン)

修正したロゴデザインの提案をさせていただきます。追加修正が必要な場合には反映させていただきます。

修正・ご納品・ご請求

仕上げのご調整をさせていただいたロゴをご納品させていただきます。クライアント様がロゴをご紹介される際に使えるストーリーや簡易的なガイド(色・余白等について)も添付させていただきます。ご請求はご請求書を発行させていただいた後、銀行振り込みでお願いしております。個人さまの場合にはお振込み後のお渡しとなります。

ご依頼可能なロゴの種類

ロゴの種類分けの解説

ロゴには大きく分けて3つの種類があって、ヒアリングでお伺いする中で決めていただく形になります。

基本的にロゴは「シンボルマーク+ロゴタイプ」で構成されていて、片方のみで使う様な場合もあります。

ロゴタイプはシンボルマークとセットで使う様な場合にはフォントを使用したものやフォントをベースに加工したモノもありますが、ロゴタイプを単体で使う場合はオリジナルで制作するモノが多くなります。

当然ですが、シンボルマークとロゴタイプをどちらともオリジナルで制作すると料金が高くなります。

両方オリジナルで制作すると使い勝手はよいですが、例えば「Apple」はシンボルマークしか使いませんし「SONY」はロゴタイプしか使いません。用途に合わせて最適なロゴの種類をご提案させていただきます。

ロゴ制作依頼に関するQ&A

A:もちろん可能です。ヒアリングを進めさせていただく中でご要望を取り入れさせていただき、納得いただける成果物をご提案させていただきます。

A:受け付けています。フリーランスの方でロゴ制作や動画編集を希望される方も多くご対応させていただいております。企業様に比べお安くご制作をお受けする事も可能な場合がございますのでご相談ください。

A:安価に提供されているロゴマークは、既製品やパターンに当てはめて制作される場合や、コンセプトや理念が充分に反映されずにただのマークになっているモノが多く見受けられます。安くてもいいロゴに出会えることもありますが、確率的には低く、受け渡しのみでサポートも無く終わる場合が多いのでそういった部分も異なります。

総合して言えば、類似したデザインのロゴが出てくるようなケースも多く、ロゴの耐久年数が短いので長期的に見るとあまり安い買い物ではないと思います。名刺・サイトなど多くの場所に使うので刷新にもお金がかかります。

A:ロゴはご納品させていただいた後、ご自由にご使用いただけます。ただし、お支払い前であったり、納品したロゴ以外の別案などはモノジャーナルで権利を保有しておりますので無断でご使用いただくのはお控えください。

A:ロゴプランでは商標登録を保証するものではございません。ただし、業界調査等を含め類似したロゴの調査は制作前に実施しておりますので、ご制作・ご納品段階で類似のロゴが存在する状態は考えにくいとは思われます。

A:PNG・JPEGデータに合わせてプランによってPDF・AIデータをご送付させていただきます。別形式が必要な場合にはご相談ください。

A:当サイト「WORKS」にも制作実績がございますが、ロゴ制作の過程を書いた記事やポートフォリオサービス「foriio」にてブランドロゴ制作に関わらせていただいたインタビュー記事がございますので参考にどうぞ。

関連記事「価値を提供する主体」として「個人」にもロゴを。foriioクリエイターが形にした思考と言葉

ロゴ制作に関する料金相場やメリットなどの基礎知識

ロゴを制作するビジネス的なメリット

ロゴを使ったブランディングの印象画像

実際に「ロゴ」には様々な効果があり、企業・商品・サービスに与える印象を大きく左右する存在です。

企業の戦略の1つとして「コーポレートアイデンティティー(CI)」というモノがあります。企業の存在価値を高めていく戦略で、その中でもビジュアルアイデンティティー(VI)と呼ばれるグラフィックを用いた企業理念・ビジョンの提示に関して、あくまでVIの中の手段の1つではありますがロゴは中核ともいえる役割を担っています。

ブランドはロゴを含むグラフィックの統一だけでなく、企業の在り方を含んだ大きな概念になっています。

直接的マーケティング施策と違って速効的な効果は発揮しにくいですが、企業認知や信頼性獲得に繋がり、ブランドを形成していく為のシンボルとして企業内での理念に対するモチベーションを保つ効果も持ち合わせています。

特にロゴは「この企業は信頼できるのか?同業他社と比べて印象はどうか?見覚えのあるロゴか?」等その企業が正しく認知されているかという部分に大きく関わってきて、最終的に「利益」を生み出す部分に影響を与えます。

また、ロゴを作っていく過程で、会社やサービス”らしさ”を表現していくことになるので社内の人からご意見を聞くケースもあります。ロゴは会社のシンボルになって、自分の名刺など身近なモノに使われるため、モチベーションを大きく左右する存在です。対内的なモチベーションを上げる為にもロゴ制作は重要な要素になっています。

さらに言えば、ブランドの無い企業・サービスは「変化」に弱いです。

技術やサービスといった点で他社と差別化ができていたとしても、競合の多い分野では時間が経つにつれておよそ平均化してきます。そこで重要になのが「ブランド」で、たとえ変化してもブランドで選ばれる様になります。

こういったブランディングにおけるデザイナーの役割は、デザインを活用する事によって課題を解決し、企業や個人の「らしさ・特徴」を表現する事です。

ロゴデザインの価格相場

日本のロゴデザインの価格相場は下記の表の価格幅に大抵の場合は落ち着きます。

クラウドソーシング1,000円〜150,000円
個人デザイナー・デザイン事務所50,000円〜800,000円
広告代理店経由・著名なデザイナー500,000円〜3,000,000円

あくまでも「相場」なので、この金額より安く・高く見積もりが出る場合がありますが、大体この価格幅で予算を考えておけば大丈夫だろうという価格相場になっています。ただ、価格幅自体も広くて参考にしにくいですよね。

ポスター・チラシ・パンフレットの様なデザイン制作物の場合には費用はそこまで大きく変わりませんが、ロゴの制作に関してはデザインを扱う制作会社などの中でも非常にバラつきが大きいものになっています。

どうしても仕方ない事なのですが、この辺りのロゴデザインの価格のバラつきがなぜ生じるのかという事について、デザインの料金設定をどのような要素で決めているのかという裏側の部分を含めて詳しく解説していきます。

デザインの価格に関係する要素

まず1つ言っておくと、価格はデザイナー・デザイン事務所などによって考え方が全く違います

最終的に示したような相場に収まる事が多いだけで、見積もりの仕方から取り扱いに至るまでかなり違うので、依頼する時や契約をする時には下記の価格に関わる要素がどうなっているのかをしっかりと確認した方がいいです。

① 著作権の所在に関して

著作権を含んで購入するのか、著作権を含まず使用するのかという点が大きく価格に反映される場合があります。

著作権(財産権):主に著作物を用いて独占的に儲けることができる権利(譲渡可能)

人格権:勝手に著作物を改変されない・公表に関する事を決める権利(譲渡不可能)

著作権については下記記事の中でも詳しく解説しているので、そちらも見ていただけるといいと思うのですが、著作権はデザイナー側にとっても大切な権利なので著作権の譲渡を含む際には金額が大きく増える場合があります。

▸関連記事デザイナーもクライアントも知っておきたい著作権と商標権の違いと譲渡契約

また、著作権は譲渡が可能ですが、人格権は譲渡不可なので「不履行」という契約をする場合があります。

大抵の場合には問題ないですが、何の契約もしないと相手が悪質なデザイナーだった場合にロゴが使えなくなったり、軽微な調整等でも意見を申し立てられたりでロゴやデザインの使用について問題が起きる可能性があります。

依頼するクライアント側にとってイチバン最悪なケースは、ロゴが非常に高額だったにも関わらず著作権に関する契約も著作者人格権に関する契約もせずに(規約等もない)人格権を履行されてロゴを使えない様なケースです。

クライアント的に最悪なケース:ロゴが高額+著作権周りの契約なし+人格権を履行されて公表不可

とはいえ、非常にレアケースなので「著作権譲渡はマストで著作者人格権も不履行ではないと絶対に契約しない」という風に考えるのは行き過ぎで、お互いを尊重した契約をできる様にデザイナーと相談するのがおすすめです。

何となく著作権譲渡を希望されるクライアントの方も多いですが、デザイン会社の規約設定で使用条件を広く設定したりして譲渡せずとも自由に使えたりするので必須条件ではないという事は知っておいた方がいいと思います。

既成(ストック)ロゴ販売のサイト

例えばロゴ自体は3万円だけど、著作権譲渡する場合に10万円必要みたいなケースも多いので、それであれば個人的には同じ様な価格帯でオーダーでロゴを作ってくれるデザイン会社に頼んだ方が良い様な気がします。

② クライアントの属性に関して

クライアントさんに関して「好きな依頼者には安くして嫌いな依頼者には高くする」ということはありません。

もちろんクライアントさんによって価格を変えない様なデザイン事務所もありますし、クラウドソーシングなどではあまり変えないのがスタンダードですが、価格を変える場合には「クライアントにとってロゴがどの程度の価値を持っているのか」という事によって変えています。つまり、ロゴが力を持つクライアントほど高く設定します。

出演媒体による違いに近い

例えば「有名な大企業・中小企業・フリーランス」ではお仕事の規模も違いますし、ロゴを使うという場合にその効力が全然違いますよね?タレントさんでも「CM・TV・ラジオ」によってギャラが違う様なモノです。

規模感・影響力が大きい媒体なら、タレントさんが出演して見せる立ち振る舞い1つで番組・スポンサー企業に与える影響も大きくなるワケで、スケールが大きくなるほど責任・影響力があるのでギャラ自体もお高くなります。

ロゴの価格に関しても似たようなモノで、地域開催のイベントロゴと大企業のコーポレートロゴでは、ロゴを見る人の数も違うし、そのロゴがある事によって得られるメリット自体も大きく違うので、価格に影響をしてきます。

③ 使用料(年間契約)の有無に関して

ロゴではあまりない事が多いですが、イラストなどの場合に「使用料」という形が用いられる場合があります。

簡単に言えば「デザイン制作費」とは別にデザインの「使用媒体ごとの年間使用料」が必要という事になります。

イラストの場合で例えると「イラスト自体の制作費は5万円で、使用媒体であるWEBサイト・フライヤー・雑誌広告に関して3年間の契約で各媒体ごとに年間10万円の使用料が必要」という感じの契約の内容になってきます。

イラストの場合には作風が大きく作品に出るので、使用されている期間は競合他社の仕事が請けられないなどの制約が出る場合があって、そういった部分の補填という意味合いもあって使用料が設けられるケースが多いですね。

ロゴの場合には各企業・サービスに合わせてオリジナルで作るため汎用性が少なく、買い切りという形で著作権譲渡したり、著作権は譲渡しないけど無制限使用可能だったり、使用媒体のみ指定されるケースが多いと思います。

この辺りは見積もりの時点で分かると思いますが、心配な場合にはあらかじめその辺りも相談しておきましょう。

④ CD料金やフィニッシュ料金等に関して

ロゴ制作費の他にCD(クリエイティブディレクション)料金やフィニッシュ料金等が別途かかる場合があります。

・CD料金:ロゴ・デザインがクライアントの目的に合う様に構成する為の料金

・フィニッシュ料金:印刷などの完成版データに仕上げる料金

大体のロゴ制作の場合にはCDの作業も伴っている場合が多いですが、多くの場合にはCD料金を製作費自体に含んで請求しています。ただ、別途見積もりを出す事務所もありますし、印刷が関係するデザイン制作の場合にはカンプ(完成見本図)やフィニッシュデータの制作に料金がかかる場合もあるので、この辺りはかなり違いが出ます。

ロゴの提案数・修正回数で価格が変わる場合も多いです。個人的にはデザイナーの仕事は優れたデザインのみを提案する事だと思うので、提案数は少ない方がいいと思いますが、基本的には提案数が多い方が価格が高いですね。

⑤ 希望するロゴの種類に関して

ロゴには「ロゴマーク(シンボルマーク)」と「ロゴタイプ」の大きく分けて2つの種類があります。

上述した弊社の「ご依頼可能なロゴの種類」の中でもご説明していますが、ご依頼のロゴの形態によって価格が変わるケースもあります。価格的には両方ともオリジナルで制作する方が当然ですが高くなるケースが多いですね。

ロゴデザインの価格・制作料金の決め方

様々な要素によってデザインの価格に幅が出るのはお伝えしたので、実際にどういう考え方で最終的なデザインの価格・制作料金を決めているのかについて解説します。他にも色々考え方はありますが、基本的には労働時間をベースとした価格に「デザイナーの実績・クライアントの種別」の数値が掛け算され最終的な価格が算出されます。

JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)の公開しているデザイン料金の算出式は下記の通りです。

制作料金 = (作業料金a×質的指数)+ 作業料金b +(作業料金a×質的指数×量的指数)+ 経費

引用JAGDA|制作料金概念規定

少し解説しておくと(作業料金a×質的指数)がいわゆるデザインそのものの料金で(作業料金a×質的指数×量的指数)が付加価値料金という感じです。付加価値とはデザインを使う事で入ってくる収益の分け前的な事ですね。

  • 作業料金a = デザイン価値に関わる作業
  • 作業料金b = カンプ・フィニッシュ等の作業
  • 質的指数 = デザイナーの能力
  • 量的指数 = 使用媒体やクライアントの大きさ

このJAGDAの料金の計算式に厳密に当てはめて計算している所がどの位あるか分かりませんが、基本的には上記の様な計算式に先ほどの様な様々な要素を加えて独自に見積もりを出しているデザイン会社が多いと思います。

ちなみに、デザインは実際かなり時間のかかる作業なので「作業料金」の部分がまず高めになります。

簡単なデザインに思えるものでも、デザイナーは膨大な数のアイデア出しとラフデザインを書いて模索を繰り返します。自分の中にデザインの素があるかという部分も大切なので多くの時間的な投資が必要な作業でもあります。

ヒアリング → 業界調査 → ラフ制作 → 本制作 → 修正・調整

簡単に書いても上記の工程を経てロゴが完成するのですが、思っているより時間がかかる作業なので作業料金自体が比較的に高く設定される事が多く、一般的に見て他のデザインよりロゴデザインが高価になることが多いです。

短時間で仕事を終える人は?

デザインスキルが上がるほど短時間で仕事を終えるので、上記計算式に当てはめると損すると思われがちですが、その分短時間で多くのロゴ制作をこなせ、さらに実績によって単価も上がるのでそうではありません。

格安で質の良いロゴを入手できればイチバン良いのは間違いないですが、なかなか巡り合うのは難しいです。

「コーポレートロゴを5,000円で購入しました。最初は良いと思いましたが、同じ時期に始めた他の会社のロゴを見たら、企業理念なども巧みに組み込まれていて、ロゴをより洗練されたモノにしたいと思う様になりました。」

ロゴを変更するのは簡単なのですが「WEBサイト・名刺・封筒・書類・広告・バナー」などロゴのついたモノを変更することになり、数十万円~数百万円規模のコストがかかりますのでロゴづくりは慎重に考えた方が良いです。

▸例えば:プロのデザイナーが3万円でロゴを作ると(数字のお話)

ロゴの相場は「3万円~5万円」と書いてあるサイトも多いので、リアルな話としてもし「3万円」でロゴ制作を本業としてデザイナーが請け負っていたらどの様な生活になるのかという事を数字の面から見てみようと思います。

本業なのでロゴデザインだけで稼ぐ場合に、人並みの生活をしようと思ったら手取り23万円位は欲しいですよね。

経費や社会保険を考えると手取り23万円を得るためには30万円程度稼ぐ必要があるので、単純に考えると1ヶ月に10件(3×10 = 30万円)の制作をする必要があり、お休みを考えると2日に1件程度の制作頻度になります。

30万円(3万円 × 10件) – 7万円(経費・社会保険等)= 23万円(手取り)

営業・業界調査・経費の処理などの雑務の時間を考慮すると、1つのロゴ制作に使える時間は5~6時間程度です。

この作業時間で会社のブランディングを考慮したロゴの制作が可能なのかと言われると、個人的には難しいと言わざるを得ません。だから弊社では3万円ではロゴは作れません。コレが3万円のロゴの裏側にあるリアルな話です。

ロゴが価格に対して納得いくモノであれば問題はないです。ただ、数字から逆算すると見えるモノもありますね。

ロゴデザインの依頼先についての価格の違い

最後に今回解説してきたロゴ「価格相場」について、ジャンル別に依頼先の特性・違いをご紹介しておきます。

1. クラウドソーシング

最もお手軽にロゴ制作を依頼できる場として使えるのが「クラウドソーシング」です。

多くのクラウドソーシングサービス(クラウドワークス・ランサーズ・ココナラ等)があり、ロゴ制作を受け付けている方を選んで依頼することが可能です。また「コンペ」という形式で企業名・コンセプトなどを公開して複数の方からロゴ作品の応募を募って、その中から最も良い作品を選んで購入する方法も選べるサービスがあります。

価格相場としては比較的安いですし、多くの作品を見て決めることができる「コンペ形式」は人気が高いです

ただ、クラウドソーシングのデメリットとしてはスキルのバラつきが大きい点や、優秀なデザイナーを選んで依頼すると価格が結局高くなる点です。人気のコンペ形式でも安い価格だと素人作品ばかりが集まる場合もあります。

また、クラウドソーシングの場合には個別にヒアリングするのではなく、掲載されている限定的な情報からロゴを制作するので意思等の共有が難しく、想像と違った形の思いもよらないロゴが集まってしまう危険性があります。

例えば最低限の情報だけだとコンペは下記の様な項目だけ知らされてロゴを作る形になります。

  • 会社名
  • コンペ金額
  • 応募期限
  • ロゴイメージ(カッコいい系など)
  • 納品ファイル形式

これらの情報だけではどういうテイストのロゴにしたらいいのか判断するのが難しく、どういった課題を解決したいのかや理念・ビジョンなどの気持ちを込める事もできないので形だけのロゴになってしまいがちでもあります。

手軽に頼めて、ハッキリ価格が明示されていて、早く仕上げて欲しい場合にはおすすめですが、デザイナーも副業で取り組んでいる事が多く、1つの仕事に時間をかけられない傾向があるので、コスパは良くないと思いますね。

実際に自分自身も調査としてクラウドソーシングでコンペ等に参加してみた感想は下記記事でご紹介しています。

関連記事クラウドソーシングでデザイナーがロゴコンペに参加してみた率直な体験談・感想を伝える

2. デザイナー・デザイン事務所

個別にデザイナーや会社を選んで依頼する形で、丁寧に会社・サービスのコンセプトを伺ってロゴに反映したり、競合他社のロゴを調査したりデザインに関する総合的な相談にのったりという付き合いができるのが魅力的です。

ただ、依頼するデザイナーや会社を見つけるのが大変で、知り合いの紹介でお願いする形になりがちな印象です。

ロゴデザインの価格は先ほどもご紹介した様に、用途やクライアントの属性によって変わる場合が多いので、固定の価格ではなく大抵の場合にはお問い合わせ・見積もりをしてもらって価格を提示されるという流れになります。

ちなみに、お問い合わせをした場合には会社規模やロゴを使う目的と一緒に「予算」を聞かれます。これは価格の認識にクライアント・デザイナー間であまりに乖離がある場合に別サービスを紹介する等の対応をするためです。

例えば予算が「1万円」だった場合「クラウドソーシングで依頼するのがおすすめです」という風にご紹介します。割けるリソース・時間が少なくクライアントの方に満足いただける品質のロゴ制作や対応が難しいためです。

この辺りの予算感覚がかけ離れているとお互いにwin-winな関係にはなりにくいので、予算をお伺いするのは多くお金を取る為ではなく、その辺りの共通認識を確かめる様なことだと思っていただければいいのかなと思います。

また、デザイン会社とお付き合いしていると、色々な場面でデザインが必要になった時に相談しやすいのはメリットです。なかなか分かりにくいデザインに関する情報・相場感などを適宜相談できる様になるので結構便利です。

安くロゴをプロに作ってもらう方法

デザイン事務所でもフルオーダープラン以外に、クライアントの方にラフのロゴ案を提案いただいてそれを元に作るセミオーダーを受けている場合には比較的安く制作できる場合もあります。弊社もお受けしています。

3. 広告代理店

大きな会社だと、普段からお付き合いのある広告代理店にロゴ制作をお願いする場合が多いと思います。

予算さえそれなりにあれば、デザイナーを選んだりロゴ制作に関する連絡や打ち合わせなども広告代理店にある程度お任せできてしまう部分もあり、全体的なロゴ制作の過程に関して比較的“楽”なのは間違いないな思います。

ただ、広告代理店のクリエイターが作るにしても、広告代理店を通じて他社に外注するにしても予算内に給料・中間手数料(広告代理店の利益分)が必要になるので一般的なデザイン事務所より価格が高くなる傾向にあります。

また、デザイン事務所に外注となった場合、広告代理店に間に入ってもらってお仕事をすることになるので、クライアントの意向を反映しにくいということもあります。更にいい修正案があっても提案しずらかったりもします。

ロゴづくりの制作工程について

下記記事では細かなロゴづくりの工程やテクニックについてご紹介していますが、コチラでは大まかにロゴづくりの裏側という様な形でどのような作業をして、ラフ案のご提示まで2週間ほどかかっているのかをご紹介します。

関連記事「デザイナーがロゴを作る時の流れとポイントを解説|制作過程編【ロゴメイキング】

業界・市場調査

ロゴづくりに業界・市場調査が必要なの?と思われる方もいるかもしれませんが、これは結構重要な作業です。

例えば「ハンバーガーショップ」をオープンする時のロゴについて、赤と黄色のシンボルマークを作ったらどう思いますか?多くの方は大手のハンバーガーショップのロゴに似ているなと思うはずです。そして、その分だけ新しいお店のロゴの印象は薄れてしまいます。コレはMをメインにしたシンボルマークを作っても同じ事になります。

つまり、ターゲットに認知されて印象に残るロゴにするためにはオリジナル性の高いロゴが必要で、特に同じ業界でのロゴを調査して差別化ができている必要があるという事です。トラブルを避けるためにも非常に重要ですね。

ロゴのラフスケッチ

ロゴを作る時にはヒアリングした内容から連想されるワードやモチーフなどから、様々な形状をラフスケッチしながら作っていきます。イラストっぽく作ってみたり、ネガティブスペースを利用したりして様々な案を作ります。

ラフスケッチでは納得できる案ができるまで作り続けるので、100個以上のロゴ案を出す事も少なくありません。

なので、例えば提案数が多いのを喜ぶクライアント様もいらっしゃいますが、基本的には案数が絞られているほど多くの案の中から優れているモノを選んでいるという意味でデザイナーがプロ仕事をしているとも考えられます。

ラフで案として出たモノから本制作するので、ラフスケッチがグラフィックとしてのロゴの核となる部分です。

ソフトでのロゴ制作(Illustrator)

ロゴは様々なサイズで使う場面が想定されますが、それを可能にするのがIllustratorでのロゴ制作になります。

・ラスター画像:ピクセル(細かい四角形)で作られていて、拡大・縮小すると画質が荒くなる

・ベクター画像:座標の情報で作られていて、拡大・縮小しても画質は変化しない

ソフトの中でもラスターしか扱えないモノもありますが、そのソフトでロゴを作ってしまうと、拡大・縮小した際にどうしても画質が荒く変化してしまいます。それでは実際にロゴ使って展開していく場合に困ってしまいます。

Illustratorはベクターで線を引くことが可能なので、これ以降はIllustratorでロゴを作り上げていく工程です。

まずは、先ほど作成したラフスケッチの中で良い案をトレースしたり、図形を組み合わせたりして作ったりする事でデジタルな画像として保存します。デジタル化すると見え方が違う場合もあるので調整を繰り返していきます。

ロゴの形状がある程度作成できたら、様々な色でカラーバリエーションも作って印象の違いを検証していきます。

ロゴの確認と修正

カラーバリエーションまで作成したらロゴを様々な方法で確認していきます。画像に合わせてみたり、サイト上で見たりといったWEB上での確認や、印刷用にロゴデータをCYMKで作って印刷して印象を確かめたりもします。

また、少し時間をおいて確認してみたり、同業界のロゴと並べてみたりという感じで様々な角度から確認します。

修正に関してはもちろん基本的には全てご要望にお応えしますが、デザイナーとして良いロゴを作るという観点で意見を述べさせていただく場合もあります。例えば「ここを真っ赤にして欲しい」と修正の依頼が来て、色のバランスが確実に悪くなってしまう様な場合には、ご説明して「なぜ赤くしたいのか」をお伺いして対応いたします。

全てを言われたままにする方が楽ですが、せっかくご依頼いただいているのでできるだけデザインとして成立している良いロゴをご提供したい気持ちがあります。その為にはしっかりとコミュニケーションする事が大事です。

まとめ:ロゴデザイン制作のご依頼と料金について|MONO JOURNAL

今回はロゴのご依頼を検討されている方向けに、ロゴ制作の料金プランや流れ・基礎知識を解説しました。

デザイン事務所MONO JOURNALは価格相場よりもお安くクオリティーの高いロゴ制作が可能となっていますので、ぜひお気軽にご相談・ご依頼ください。ロゴ以外のデザイン制作を依頼いただく事も可能です。

ご相談は無料ですので、分からない点や不安な点などがある場合も気軽にご連絡いただければと思います。

\ デザインに関する事はお気軽にお問い合わせください /