【税金】ロゴ制作依頼のデザイン料金の税務上の仕訳・勘定項目はどうする?損金・経費の扱い方は?【外注】

全部とりあえず税理士さんにお任せ!という事でやっている方は問題ないかもしれませんが、ロゴをデザイナーに依頼した場合に税務処理で仕訳・勘定項目はどうしたらよいか悩まれる場合もあると思います。

ロゴ制作は金額もそれなりに高いケースが多いので、一括で損金に出来るのか、数年間かけて定額償却しなければならないのかという場合で、期末に向けての節税的な意味合いでも問題になる場合が多いです。

そこで今回は、ロゴ制作を依頼した場合のデザイン料金の税務上の仕訳・勘定項目について解説します。

参考サイト「国税庁:繰延資産の償却費の計算(令第137条関係)

著者 荒木大地  / グラフィックデザイナー / ▸Twitter (@d_arakii)

博士号を取得後、東京大学にて特任助教として研究と教育に従事。在学時よりデザインの業務を開始しデザイン事務所を設立。Adobe Creative Residency (2021)

モノジャーナルはロゴデザインが得意なデザイン事務所です。現役のプロがご相談から全て丁寧に対応する事で、安心してデザインをご依頼いただける環境を作っております。

仕訳・勘定項目は3種類に分類される

ロゴ価格に関する経費処理の違い

・ロゴの料金:20万円を境界線

・商標登録の有無

税務上の仕訳・勘定項目はロゴの料金が20万円以上かどうかという点と、商標登録をしているかどうかによって3種類に分類されます。ただし、商標登録していなければわりと経費として扱いやすいですね。

ロゴが20万円未満の場合

・全額を一括で損金(広告宣伝費)に計上可能

ロゴが20万円未満の場合は全額損金として一括で扱う事が可能です。勘定項目は「広告宣伝費」です。

20万円未満のケースでは特に税務上の扱いを気にせずに良いので、通常の経費の使い方と同じ様に考えて問題ないです。期末前辺りにロゴのリニューアルをしたいと思っても全額損金にできるので便利です。

ロゴが20万円以上で商標登録をしていない場合

・繰延資産(開発費)として扱うが、自由なタイミングで金額を決めて損金に計上可能

ロゴが20万円以上かつ商標登録をしていない場合、勘定項目は繰延資産「開発費」として計上します。比較的高額で会社として保有することに価値があるという事になるので、一応ですが資産になります。

ただし「繰延資産(開発費)」は便利な性質があって、会社法上で任意償却が可能なので必要な時に分割して損金として処理することが可能です。つまり、初年度に全額損金として処理することも可能です。

例えば、100万円のロゴを制作した時に、今期は30万円分を損金にして来期70万円分を損金にするという事もできます。会社法上は期限も決められていないので、好きな時に損金にできる様になっています。

会社が今期、黒字でも赤字でも繰越欠損金の金額なども検討しつつ、めちゃくちゃ便利に使えますね。

任意償却は非常に便利な性質を持っていますが、固定資産などに対して適応してしまうと銀行などから企業としての信頼を失うケースもあります。繰延資産(開発費)であれば、特にその辺りも問題ないです。

ロゴが20万円以上で商標登録をする場合

・無形固定資産(商標権)として扱う為、10年間で定額償却として計上可能

ロゴを商標登録する場合には、勘定項目を無形固定資産「商標権」として扱う事が必要になってきます。

商標権として扱う場合には「10年間で定額償却」する必要がある為、100万円でロゴを制作したら10年間毎年10万円を損金として扱う事ができるという事です。こうなると結構扱いにくい経費になります。

ロゴを商標登録する場合は大抵の場合、制作時点から検討して制作完了と同時に商標登録も行うケースが多いですが、制作から数年経過してロゴの代金を任意償却し終えた後ブランドとして勢いが出てロゴを商標登録する様なケースではまた扱いが異なってきます。その様なケースは税理士さんに相談しましょう。

ちなみに20万円以下のロゴを商標登録する場合は問題なく一括で損金として処理することが可能です。

20万円以下か商標登録しない場合にロゴ制作は経費の使い方として便利

ロゴの商標登録に関しては主にコスト面で全部まとめて約2倍程度の費用(オリジナルフォントの制作・弁理士への依頼費用・商標権の取得並びに維持費用など)がかかりますが、ロゴの盗用などを防げます。

ロゴを象徴としてブランドとして企業価値を持たせる事は昨今非常に重要になってきているので、商標登録の重要性も増してきてはいますが、税務上ロゴは固定資産となり取り扱いが面倒になってしまいます。

ロゴが20万円以下であれば一括損金扱い、商標登録しない場合には金額に関わらず任意償却ということでいくらでも経費として自由なタイミングで損金にできるため、経費の使い方としては非常に便利です。

制作時に商標登録しない場合ですが、企業やサービスとして認知されてきて、商標登録しない事のデメリットが商標登録をすることのデメリット(コスト)を上回ったら商標登録はする方がいいと思います。

フリーランスのデザイナーにロゴを依頼する場合の注意点

企業同士の外注や依頼であれば特に注意する必要はありませんがフリーランスのデザイナーとロゴ制作のやり取りをする場合には「源泉徴収」に注意する必要があります。デザイン料は源泉徴収の対象です。

給与の源泉徴収は特例の申請書を出していれば半年に1回まとめて納税可能ですが、フリーランスとのやり取りで発生した源泉徴収は翌月の10日までに申請が必要ですので、色々と手続きは面倒になります。

素早く税理士と連携が取れる場合はお任せすれば問題ないですが、自分である程度対応が必要な場合は月末に請求書が届いて少し忘れているとあっという間に延滞で延滞金が発生するので気をつけましょう。

e-Taxで比較的簡単に対応も可能ですので、源泉徴収に関して知りたい方は下記記事をご参照ください。

繰り返しますが、デザイン会社の様な所に依頼する場合には法人と法人のやり取りになりますので源泉徴収の処理は必要ありません。フリーランスのデザイナーさんなどにお仕事をお願いした時に限ります。

関連記事「法人がフリーランス外注用の源泉徴収を支払う為の電子申告「e-Tax」の登録の仕方

まとめ:ロゴ制作依頼のデザイン料金の税務上の仕訳・勘定項目は?

今回は期末に経費精算で悩む「ロゴ」の税務上の処理に関して国税庁の資料を元に解説してきました。

経費の使い道に悩んでいるケースでは、予算に合わせて20万円以下のロゴまたは即急な商標登録は検討していないロゴを制作することを検討されると良いと思います。多くのデザイン会社さんでは予算や事情に合わせてある程度の価格調整は可能だと思います。弊社「MONO JOURNAL」でもご相談可能です。

特に繰延資産(開発費)としてロゴを制作されると毎年便利に損金の計上が可能になりますので、会社のブランディングを強化する意味で、期末の投資手段の中でも比較的有用な経費の使い道だと思います。

関連記事「ロゴデザイン制作のご依頼と料金について|MONO JOURNAL

関連記事「合同会社のひとり社長が自分で決算と法人税等の申告書を制作する方法【税理士なし】


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モノジャーナルはロゴデザインが得意なデザイン事務所です。現役のプロがご相談から全て丁寧に対応する事で、安心してデザインをご依頼いただける環境を作っております。