※当ページのリンクには広告が含まれています
ビジネスにおいてロゴを制作する目的や意図って何でしょう?
それは「売り上げを伸ばす事」ですよね。「自社のイメージを上げたい」という目的もあるとは思いますが、それは1つの課題であって最終的に行き着くのはブランド力を高め儲けを出すという事になります。
色んな考え方があるので、とりあえずという感じでロゴを作るのもいいと思うんですが、ロゴを途中で変更したりするとコストが余計にかかったりするので、その辺りの事も含めて解説していこうと思います。
関連記事「ロゴデザイン制作のご依頼と料金について|MONO JOURNAL」
Contents
▸ビジネスとロゴとの関係性について
▸ビジネスにおけるロゴ制作は投資
ビジネス利用する目的でロゴ制作するのであれば、それがどの程度「会社・サービスの利益を増やす」事に繋がるのかということを考える必要があります。ロゴは会社・サービスを成長させるために作ります。
・何となくロゴがあった方が便利でいい
という意見もありますが、ビジネスにおいてロゴ制作は「投資」と捉えるのが近い感覚だと思います。
ロゴ制作に投資して、そのロゴが良ければ多くの顧客・ユーザーに認知されやすく、どういう会社・サービスなのか伝わりやすく、最終的には「ブランド」としての自社の製品・サービスの価値が上がります。
例えば、2つのコーヒーがある場合を考えましょう。
- 普通のドリップコーヒー
- スターバックス社のコーヒー
もちろんコーヒー自体も品質の差があって、スターバックスのコーヒーの方が美味しいのは間違いないと思うんですが、スタバに行った経験があっても目隠しでどちらか当てろと言われたら難しいと思います。
ただ、普通のコーヒーとスターバックス社のコーヒーの好きな方をもらえるとしたら、多くの人がスターバックスのロゴのついたカップを持って行くはずです。これがブランドの力というモノを表しています。
ブランドを「品質・デザイン・味」で選んでいるから間違えないという方もいるとは思いますが、多くの人はわりと盲目的に「その会社だから・その商品だから」という理由でサービスや製品を選んでいます。
特に競合他社の多いジャンルではブランド力は売り上げに密接に関わっています。
もちろん「ブランド力 = ロゴ」ではなく、ロゴはブランディング戦略の中の1つのピースではあるのですが、顧客の目に触れることが多く、そのブランドだと認識される事に対して中心的な役割を果たします。
今の時代は様々な情報が共有され「品質・デザイン・味」という部分では均衡している事が多く、ブランドやマーケティングで勝負する時代になっています。知られる・印象に残る事が大事です。
▸競合の多い業種ほどロゴによるリスクとコストを考えるべき
ロゴが売り上げに繋がる場合の話をしましたが、ロゴによってブランド力が衰えるケースも存在します。
例えば、非常に人気のファッションブランドやスポーツブランドが全く違う方向性にロゴを変更した場合、恐らくですが売り上げは一時的にかなり落ちる事が予想されます。コレは避けられないと思います。
ブランド品を求めている多くの人は”あのロゴ”の描いてある服・シューズが欲しいと思っているため、素材などは全く変わらなくても、商品としての価値は一時的ではあると思いますが下がってしまいます。
もちろん業種によってその辺りの”ブランド”が与える事情は多少変わります。
インフラ系・IT系の企業であれば、例えロゴを大幅に変えたとしても今まで使っていた顧客やユーザーが早急に他サービスに切り変えるほどの大きなインパクトは発生しません。それは、ブランドに根ざしたサービスを求めていて、サービス内容自体が変わらなければ問題ないという判断が行われているからです。
ただし、新規の顧客・ユーザーがその企業に抱くイメージは変わるので、そのロゴを含むブランドが新規客に与えるイメージが良くなければ次第に売り上げが落ちていき、影響を与える事は変わらない事です。
定義が難しいですが「良くないロゴ」を作ってしまった場合、変更時にコストが非常に高くつきます。
ロゴは多くの場所で使われるモノで「Webサイト・名刺・封筒・広告・バナー・ポスター」等に組み込まれており、それ全て作り直す必要があるため、変更しようと思うと結構コストがかかってしまいます。
実はロゴは企業やサービスの売り上げやリスク管理に直結した要素なので、慎重に作る必要があります。
▸ロゴ制作の料金と適正価格
▸ロゴは「安くて良い」が最高
勘違いをしている人も結構いるのですが、ロゴは安くて良いモノであるのがイチバンベストな事です。
もし、手に入るのであれば間違いなくそれが良いので、わざわざお金をかけて高いロゴを手に入れる必要は無いです。ただ、なかなか探しても「安く良い」ロゴというのは見つからないのが現実でもあります。
実際に色々な所で提示されているロゴの料金というのは非常に幅が広いです。下記は料金の目安です。
- デザイン会社・事務所:100,000円~2,000,000円
- フリーランスデザイナー:50,000円~300,000円
- クラウドソーシング:3,000円~100,000円
デザイン事務所の場合には、VI(Visual Identity)として、企業のグラフィックに関する部分を包括的に担当する様な契約をする場合も多く、ロゴ制作を単体で請け負わないケースもありますが、一般的にこの位の価格帯でロゴを作っている所が多いと思います。フリーの方だともう少し安い価格帯が多いです。
クラウドソーシングについては、下記に実際に私自身が体験してみた感想を書いているのでそちらを見ていただければと思いますが、相場が安い分だけなかなかいいロゴに出会うのは難しい場所でもあります。
関連記事「クラウドソーシングでデザイナーがロゴコンペに参加してみた率直な体験談・感想」
▸ロゴを依頼する時に大事なこと
ロゴの制作って「簡単」に作っているイメージがあると思うので安く思われがちですが、実は地味で時間が必要な作業です。デザイン自体のインプット的な投資もそうですが、人件費のかかる作業になります。
なので、その成果であるロゴが安いというのは時間がかかっていないという事に等しい場合が多く、時間をかけていないのに良いロゴという場合は凄腕デザイナーか盗作またはあらかじめ作ってあるロゴです。
ロゴを依頼する時に大事なのは、クライアントの方はデザインの素人だという事を認識する事です。
不躾な言い方になってしまって恐縮ではあるのですが、恐らく盗作のロゴを提案されても気づく事はできないと思いますし、ロゴを提案されてもそれがロゴとしての最低限の働きができるモノなのかどうか判断も難しいと思いますし、アドバイス無しでは単純に見た目の好みでロゴを選ぶことになってしまいます。
実績を持って身分を明かして活動しているデザイナーやデザイン会社であれば、まず著作権について厳格であるのは間違いないですし、デザインのプロフェッショナルとしてアドバイスをくれるので、そこに頼ってロゴづくりを進めるのが大切だと思っています。クラウドソーシングではその辺りが難しいですね。
▸ロゴがビジネスに与える影響と具体的なお金の話
ココで1つ具体的な例「年商1億円の企業」を想定してお金の計算をしていきたいと思います。
その企業はロゴを制作してブランドイメージを高める事で売り上げが2%増加する事が見込めるとしましょう。単純計算で年間200万円の売り上げ増です。ただし、制作したロゴを使った「サイト・封筒・広告など」の制作・変更に合計で100万円かかるとします。コレを前提として2つのケースを見ていきます。
▸良くないロゴを使ってしまった場合
例えば、その年商1億円の企業のロゴを2万円でクラウドソーシングで作ってみるとします。
そうした場合に、もし結果的に「良くないロゴ」でブランド力が下がってしまったとしたら、売り上げが2%程度は落ちると仮定。さらに新しいロゴを作って、自社ロゴの製品も作り直しで100万円必要です。
・ロゴの制作:-2万円
・売り上げ減:-200万円
・自社用品の制作:-100万円
・自社用品の制作し直し:-100万円
・新しいロゴの制作:-20万円
合計で−422万円、つまり年商の約4%の損失が生じます。それなりに大きい額ですね。
▸良いロゴを使った場合
例えば、その年商1億円の企業のロゴを20万円でデザイン会社が作るとします。10倍の値段です。
そうした場合に、もし結果的に「良いロゴ」だった場合、先ほどの前提の様に売り上げは2%増加しますし、自社用品の制作は1回で済んで作り直し等の費用は余分にかかりません。計算するとこうなります。
・ロゴの制作:-20万円
・売り上げ増:+200万円
・自社用品の制作:-100万円
合計で+80万円、つまり年商の約1%の利益増、次年度からは2%の利益増が見込める状態です。
非常に単純などんぶり勘定ではありますが、ここに「大きな差」がある事がわかるかと思います。
▸利益と損失から見るロゴ制作の依頼
今回は例として、安いロゴを「良くないロゴの場合」として扱っていますが、安ければ「良くないロゴ」というワケでは決してありませんし、20万円でロゴを作ってもそれが良くないロゴの場合もあります。
ただ、上記でも概算した様に、ロゴは売り上げや損失に直結する要素なので、なるべくリスクを避ける為にプロにアドバイスをもらいながら制作した方がビジネスとしては賢い選択肢だという事でもあります。
価格が高ければ、それに比例してロゴデザインのクオリティーが何倍にも良くなるかと言われればそういう事では無いと思いますが「良くないロゴ」に仕上がるリスクは当然ながら低くなっていくはずです。
つまり、ロゴの良し悪しを判断できない以上、高くてもプロに依頼してリスクの少ない選択肢を取ろうとする企業が多いワケです。数%が大きな意味を持つ大企業ほど、高額で著名なデザイナーに依頼します。
それが、例えロゴ1点で1,000万円だとしても、年商が100億円の企業であってブランド力がついて売り上げが上がる見込みがあって、様々なリスクを軽減できるのであれば安い買い物になるという事です。
▸新規に会社やサービスを立ち上げる場合
もし、新規で企業やサービスを立ち上げる場合、どの程度の料金でロゴを作るべきか悩むと思います。
クラウドソーシングで作ってもいいかもしれませんが、事業が拡大して行った時にどこかでブランドイメージが重要になってくる場面に出くわす瞬間があるはずです。きっとその時には、こんな風に思います。
- 最初から長く使えるロゴにしておけばよかった
- ロゴを変えたいけど認知度が下がるんじゃないか
先ほども説明した様に、途中でロゴを変えるというのは様々なリスクを抱えているので、本当は最初からある程度の金額をかけて投資のつもりで長く使えるロゴを作っておくというのがいいと思っています。
ロゴ制作料金の目安としては会社立ち上げ時の資本金の10%程度が目安かなと個人的には思いますね。
まとめ:ビジネス用のロゴづくりで失敗しないための「利益とリスク」
今回ロゴデザイナーとして、ビジネス面での利益やリスクについて具体的な話を交えて解説しました。
ロゴの制作と料金のお話をすると、どうしても「ロゴ料金の相場」や「ロゴデザインがいかに大変な作業か」という話に偏りがちですが、本当に大事なのはビジネスにとってどう影響するのかという部分です。
ロゴを作ることで解決したい課題があるビジネスマンはそれを解決できるデザイナーを見つけて依頼します。ロゴの制作や依頼を考えている方はロゴを作って何を解決したいのか考えても良いかもしれません。
関連記事「デザイナーがロゴを作る時の流れとポイントを解説|制作過程編【ロゴメイキング】」
関連記事「ロゴデザイン制作のご依頼と料金について|MONO JOURNAL」