Adobe製品・ソフトの使い方の違いをデザイナーが解説|料金とプランも比較【Adobe Creative Cloud】

Adobe製品・ソフトは非常に数が多いので、どの製品で何ができるのか伝わりにくい側面もあります。

Adobeの製品って何ができるのか?」「各ソフトをどう使い分けるのか?

という様な事に関して、デザイナー目線からMicrosoftやMac等のAdobe製品以外のソフトとも比較しつつ、結局どのプランがおすすめなのかという部分について料金とプラン比較の話も解説していきます。

Adobeのソフトだと聞くとプロ用のソフトだと感じる方も多いかもしれませんが、実際はデザイナーではなくても気軽に扱えるソフトなので今回の解説を見てぜひ体験版などで試してもらえればと思います。

Adobeソフトの特徴と使い方の違いを解説

Adobeのソフトも非常に数が多いのですが、メインに扱う事の多いのはこの辺りのソフトです。

  • Photoshop
  • Illustrator
  • InDesign
  • XD
  • Lightroom
  • PDF (Acrobat DC)
  • Premier Pro
  • After Effects

細かく解説していくと約2倍程度の数のソフトがありますが、結構使いどころがマニアックだったりするので、わりとデザイナーの方がよく使う様な上記に挙げたソフトを中心に今回は解説をしていきます。

▸Photoshopの機能

Photoshopは形としてできあがった画像・写真・映像を加工したり、仕上げたりするソフトです。

あまりPhotoshop上で「0」から何かを作るという事はあまりなくて、何か素材を集めてきてそれを組み合わせたり、加工したり、仕上げをする為に使って、完成形にする様な部分を主に担っていますね。

自然に加工する事も可能だし、人工的な感じで加工する事も出来るし、かなりテクニック差が出ます。

Photoshopは写真の加工のイメージが強いかもしれませんが、イラストを加工したり、色味を変えてみたり、切り抜いて合わせてみたり、という感じで”グラフィックを使って遊べる”のが大きな特徴です。

▸Illustratorの機能

Illustratorは「0」から何かグラフィックを新しく作る時に使う事の多いAdobeソフトです。

例えば、ロゴ・イラスト・装飾テキストなど線や図形やテキストを組み合わせて作り上げる部分に使われます。大きな特徴である「ペンツール」という自由に線を描けるツールが制作のカギを握っています。

Illustratorで扱う線は「ベジェ曲線」と呼ばれます。ベジェ曲線で作った画像はベクター画像(拡大縮小で画質が変わらない)なので「.ai(Illustrator用の拡張子)」として印刷に使う事が多いですね。

ちなみにイラレをMicrosoftの製品で代用できないか考えると「Power Point」で代用できない事もないです。Adobe製品を使っていなかった頃に私自身も「Power Point」で作っていた時期もあります。

本来「Power Point」はスライド制作用ソフトですが、サイズを変えて定型の図形を組み合わせてロゴを作ったり、写真や文字の重ね順を手動で替えてフライヤーを作ったりすることも可能ではあります。

ただ、レイヤー管理が難しかったりして細部までこだわるのは難しいのでイラレの方がおすすめですね。

▸InDesignの機能

InDesignはテキストや画像を複数ページにデザインしたい時に扱うAdobeソフトです。

主に冊子・書籍・雑誌などのページ数が多いモノを構成する際に使う事が多いですね。例えばフォトショやイラレでも複数ファイルで冊子を作る事はできますが、1ページごと作る必要があって結構大変です。

その点「InDesign」では複数のページに同じものを反映させたりするのが非常に楽です。フォトショやイラレで制作したデザイン素材をInDesignに入れ込んで使ったり、まとめ用としても扱ったりします。

例えば、Microsoftのソフトで文字組みと言えば「Word」ですが、代用しようと思うとテキストボックス・画像用のボックスを操作するのが面倒ですし、なかなか同じように作ろうと思っても難しいですね。

▸XDの機能

XDはウェブやアプリ開発ののグラフィック・操作性のデザインをする時に使うソフトです。

簡単に言えば「InDesign」のWeb版という感じで、Webサイトやアプリの全体的なデザインとか繋がりをソフト上で作り込む事ができて、組み立てた時どういう動きをするのか実際に試すことができます。

いいソフトだと思いますが、ウェブデザイナーも様々でXDに関しては「好き・嫌い」「使う・使わない」という好みが分かれやすいソフトかなと個人的に思っています。好きな人はめちゃくちゃ好きです。

ウェブデザインをメインに扱っているデザイナーの方はイチバンよく扱うAdobeソフトだと思います。

▸Lightroomの機能

写真・画像の色味・見え方を調整するいわゆる”デジタル現像・RAW現像“をする為のソフトです。

似た名前のソフトが2つあって「Lightroom classic」がPC用のソフトで詳細な部分まで調整が可能で「Lightroom」はPCやアプリで連携してクラウドで画像などを保存できる簡易版のソフトになります。

デジタル現像という事で、撮った写真の露光や全体のトーンなどを調整すれば統一感ある写真に仕上げることも出来ますし、写真・画像自体の縦横比のリサイズやトリミングなどの加工をすることも可能です。

画像や写真の調整・仕上げという意味では「Photoshop」の前段階的に使うソフトで、多くの場合は細かな部分の調整や加工という部分は「Photoshop」の方に任せるという感じの流れになると思います。

▸PDF (Acrobat DC)の機能

スタイル変更の心配が少ないテキスト・ドキュメント製作用のソフトです。

普通に普段の仕事やPC周りの作業の中で触れる事の多い書類形式の1つでもあるはずです。Adobeで契約しなくても閲覧や作成であれば多く場合出来ますが、契約していると編集等も可能です。

PDFでやり取りする場面って思っているよりも多いので、編集や署名等を入れられて管理も簡単にできるのはAdobe CCを契約している事のメリットの1つだと思います。単純に便利ですね。

▸Premier Proの機能

Premier Proはまさに動画編集の総合的なソフトです。

タイムラインという編集スペースに動画・テキスト・BGMなどを配置して、カットやエフェクトなどの編集を加える事で動画をまとめていく事ができます。かなり直感的で分かりやすいです。

色々できあがった動画・エフェクト・BGMを使ってまとめて味付けするイメージですね。

Premier Pro単体でも動画やテキストに対して動きを加える事も可能ですが、どちらかと言えば後ほど紹介する「After Effects」で制作したモノをPremier Proに持って行って使う流れになります。

▸After Effectsの機能

After Effectsは文字や映像に動きを加えるソフトです。

比較的短めの秒数(5秒~60秒程度)で完結する様な動画素材を作るのに向いていて、1つ1つの映像素材に対してデュレーションという時間軸の中で開始点と終了点を決めて動かしていきます。

動画素材を作るだけでなく、映像自体にエフェクトを沢山入れ込んだ動画作品を作ることも可能です。エフェクトによってはかなり処理が重いのでマシンパワーが結構重要になるソフトです。

Adobe Creative Cloudのプラン料金と比較

▸Adobe CCのプラン料金について

Adobeのソフトは以前は買いきりのパッケージ版として販売されていましたが、現在はクラウドでの契約のみになっています。ただ、一部ソフトは簡易版の「Elements」が販売されています。

簡易版「Elements」は買い切りで、一部機能・使い方が変わっています。

少し「Elements」も扱った事もありますが、もし細かい部分までこだわって使いたいのであれば「Adobe CC」の方を使う方がおすすめではあります。買い切りなのは割といいんですけどね。

Adobe CCのプランは現在下記の3種類になっています。

  • フォトプラン
  • 単体プラン
  • コンプリートプラン

価格や特徴に関しては下記の表の通りです。

プラン名 価格(年額) 使用可能なソフト
フォトプラン 11,760円 Photoshop + Lightroom
単体プラン 26,160円 ソフトの中から1点選択可能
コンプリートプラン 65,760円 全てのソフトが使用可能

おすすめは断然「コンプリートプラン」ですが、もしPhotoshop・Lightroomを使いたいのであれば「単体プラン」より「フォトプラン」のがお得なのでそちらを選ぶのがおすすめになります。

例えば、Premier ProとAfter Effectを使いたい人がいたとしても、結局サムネイルを作るのにPhotoshopが欲しかったりするので、基本的に単体プランを選ぶ人というのは少ないと思います。

あるとすれば「Photoshop + Illustrator」の組み合わせですね。

ちなみに学生・教員であれば「アカデミック版」があって、コンプリートプランが23,760円(年額)で契約できるので利用しないと損だと思います。学生には高価ですが、かなりお得ですね。

▸他社製品との料金比較と考察

比較しやすい他社製品と料金面や性能面で少し比較をしてみようと思います。

・Final Cut Pro:36,800円|買い切り

・Motion:6,100円|買い切り

・Office:35,000円|買い切り

・Office Cloud:12,000円|年額

動画制作という面であれば、Final Cut ProとMotionの組み合わせで購入すると約4万円程度でセットで揃える事が可能です。買い切りなので、2年・3年と使う程にお得になっていきますね。

性能的にはAdobeのPremier Pro・After Effectsと全然いい勝負なので、正直アリです。

ただ、肌感覚的に言えば「Final Cut」を使っている人はどんどん減ってきている印象なので、例えば編集工程を共有しようと思った時に有利なのはPremier Pro(Adobe)の方だと思います。

それに、デザインをしたりサムネイルなどの静止画を作り込みたいとなると最終的にはPhotoshopが必要だったりするので、結局「Adobe CC」を買えばいいという人が多いと思いますね。

MicrosoftのOfficeに関しては、一部だけ代用できる部分はありますが性能差は歴然です。

Word・Excel・Power Pointに関しては数年前までは三種の神器感がありましたが、最近ではそうでは無いと感じているので「Office」か「Adobe CC」で迷っているなら後者がおすすめですね。

例えばWordであればGoogleドキュメントなどでも充分ですし、プレゼンについてもAdobe製品でクリエイティブに作った方が伝えたい事も伝えやすいです(当然ですがPDFでもプレゼン◎)。

特にアカデミックの方(学生さんなど)には購入を検討してみて欲しいですね。

まとめ:Adobe製品の使い方の違いをデザイナーが解説

今回はAdobe製品の性能とプラン・料金・他社製品との比較を解説してきました。

私自身はアカデミックにいた時には「Microsoft」の製品が主力だったので、Adobe製品に場を切り替えてから慣れるのにかなり苦労したのですが、慣れて使える様になると非常に便利です。

どのソフトで何ができるのかイメージできると意欲もわいてくると思うので、今回はその点を分かりやすく解説してきたつもりです。ぜひ体験版などからチャレンジしてみてはいかがですか。