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フリーランスでも社内デザイナーでもデザイナーではない人と仕事をする機会は多いですよね。
それがクライアントなのか社内の別の部署の人なのかという違いはありますが、デザインに関するコミュニケーションの部分で内容が理解されていなくて、上手くいかないと感じる部分もわりとあるはずです。
「絶対に今の状態から変えない方がデザイン的にいいのに!」
提出したデザイン案について修正の要望が届いた時に、大抵のデザイナーがよく感じる事だと思います。
そこで今回は、デザイナーがノンデザイナーのビジネスマンとコミュニケーションを取る時に上手くいくためのコツをお伝えしようと思います。キーポイントは言葉を通じて互いに理解を深めるという事です。
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Contents
▸デザイナーがノンデザイナーを突き放す姿勢は良くない
まず、先ほど冒頭に挙げた様なやり取りをより詳しく見ていく中で、問題点を抽出する事にしましょう。
デザイナーは提出したデザイン案に対して時間をかけて制作していますし、デザインに関する理論や経験から、色・配置・大きさなどをかなり微調整してそれで完璧だというバランス感を持っているはずです。
・白い部分を青に変えてください
・この文字を大きくしてください
一方でノンデザイナーは、デザイン案を見て、たとえば「白い部分を青に変えてください」や「この文字を大きくしてください」などの修正を依頼されるワケです。この場合大抵デザイナーは不満を抱えます。
なぜかと言うと、まず「白い部分を青に変えた」場合、色味のバランスが崩れて他の部分も修正しないといけないとは思うけれど、指示には書いてないし、単純にその部分だけ青に変えればいいのか分からないし、なぜ白でバランスが取れてるのに青に変えなきゃいけないのか分からないという点があり不満です。
続いて「文字を大きくする」場合も同様に、他の文字やパーツとのジャンプ率などを見て決めているはずなので、単にその文字だけ大きくするとデザイン的に上手く対比させられない、みたいな事を考えます。
ただ、ここで「デザインが分かっていない!」とノンデザイナーを突き放す様な姿勢は良くないですね。
▸修正にはビジネス的な視点が隠れている場合が多い
例えば「白を青に変える」という場合には、コーポレートカラーに寄せたかったり、過去のサイトやフライヤーのデザインで青ベースが好評だったり、クリック率が良かったり何かしら理由があるはずです。
もちろん「単純に白が好きじゃない」とか「白が何となく合わないと思う」みたいな理由のない場合もあるのですが、大抵の場合は修正すべき理由があるはずで、何らかの課題を解決するためにデザイナーに依頼しているはずなので、その裏にはビジネス的に重要な視点が隠れている場合が多い様に感じています。
なので「文字を大きくする」という場合にも、主なフライヤーのターゲットが高齢者層で、視認性を上げるために大きくする必要があったり、フライヤーを頼りにしてイベントに行く方も多いので、確実に読める大きさにする必要があったりと、言語化されていないだけで様々な理由が隠れている場合があります。
我々デザイナーの仕事は、いい作品を作る事じゃなくてデザインで課題を解決することじゃないですか?
なので、まずは相手の事を理解する事から始めるのが上手くコミュニケーションを取るためのコツだと思います。相手はビジネスのプロだという事を頭に置いて、修正の意図や目的をしっかり理解しましょう。
修正に関して特に深い理由が無く、何となくという事であれば、一旦修正したモノを作ってみて見比べてもらいながらデザイン的な観点から違いを説明するのが納得してもらいやすいと思います。
▸お互いを理解する事が良質なコミュニケーションに繋がる
当たり前の事のように思えるかもしれないですが、デザインが絡むと割と我を忘れる事もあります。
自分はプロフェッショナルとして、時間をかけて作ってきたという思いが強くて、デザインの事を分かっていない人に修正の指示をもらうと、人間性まで否定された様な錯覚に陥りがちな面があったりします。
それは間違いで、人間性を否定される事なんて無いんですが、ノンデザイナーの方もデザイナーがどの位の時間をかけてデザインを作っているかを理解していただくとお互いの理解が深まりやすいと思います。
そして慣れているデザイナーは「何で青に変えたいんですか?」とか「どうして文字を大きくしたいんですか?」とか聞くと思うんですが、慣れていないと先ほどの葛藤を自分で解釈して進めてしまって再度修正という事になってしまったりして、お互いに不幸なので修正側で指示を工夫するのも良いと思います。
最初から目的を含めて「青に変えて欲しい」等と伝えるのも良いですが、相手に聞くのもおすすめです。
・もう少しコーポレートカラーに寄せた配色にして欲しいんですがいいアイデアはありませんか?
・高齢の方が多く参加するイベントで、フライヤーを頼りに会場まで行ける様に調整できませんか?
こんな感じでデザイナーに目的を伝えてあげれば、様々な手法でその目的に合わせて修正を加えてくれると思います。デザインの事はデザイナーの方が詳しいのでお任せした方が上手くいくケースが多いです。
制作の前段階でこの辺りのすり合わせができている事が望ましくはありますが、今回の様に細かな部分で認識のズレが生じる場合も多いので、お互いにプロとして理解して信頼する事が重要だという事ですね。
まとめ:クライアントとデザイナーが上手くコミュニケーション取るコツ
今回はクライアントとデザイナーの間で起こりがちな、上手くいかないコミュニケーションに対して解決策やコツについてお話してきました。どうしてもお互いの理解が足りていないという部分が多いですね。
お互いにプロフェッショナルという事を理解しあって、何かビジネス的な観点で注意したい部分があれば早めに伝えて、デザインはデザイナーに任せるというスタイルの方が上手く行く場合が多いと思います。
特にクライアントが最初から具体的な変更指示を出してしまいがちなのですが、その部分だけの変更では効かない場合が多いので、相談という形でデザイナーに聞いてみるのがおすすめの方法になっています。
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