クラウドワークスでデザイナーがロゴコンペに参加してみた率直な体験談・感想を伝える

ロゴデザインを作る選択肢の中で「クラウドソーシング」は最近主流になりつつある方法で、手軽にロゴを入手したい人が主に利用しています。クラウドソーシングでの依頼方法としては、個別にロゴ制作をお願いする場合と、コンペ形式で多くの方からデザインを募集して決める形式の大きく2つがあります。

今回は数あるクラウドソーシングサービスの中でも「クラウドワークス(Crowd Works)」に登録して、実際にロゴコンペなどに参加してみたデザイナーの体験談・感想についてお伝えしていこうと思います。

クラウドソーシングのコンペ形式とは?

コンペ形式というのは、ロゴ制作に支払える金額やコンセプトなどを自由に提示して募集をかけ、集まった作品の中から最も気に入ったものを選んで、そのロゴを作った人だけに金額が支払われるという形式です。

クラウドソーシングの中でもクラウドワークスやランサーズなどでは「コンペ形式」も採用されています。

依頼する側としては、色々な作品から好みのものを選べるという点がメリットとして挙げられますが、金額の設定を安くしすぎて、好みの作品が集まらなくても金額は支払わなければならないのがデメリットです。

デザイナーがクラウドワークスでコンペに参加した感想

価格は一般的なデザイン料金より安い

私自身はロゴデザインを得意としていますのでロゴ関連のコンペに何十件か参加してみたのですが募集価格には大きく幅があります。ロゴに対しての価値観というか、重要度がどの程度か明確に分かります。

私が見た中で最も安かったのは「1,600円」という募集で、手数料を引かれると恐らくデザイナーには「1,500円」のお仕事になると思います。逆に高額な募集だと「85,000円」の募集ですね。個人的な感覚ですが「コンペの高額募集 = デザイン事務所の最低依頼額」というような金額設定になっていると思います。

例えば1,500円でロゴ制作の仕事を受ける事を考えると、Illustrator・フォントなどのデザイン周りのデバイスやツールなどの日割り金額・事務所の家賃等の経費をリアルに考えると、提案文章などの作成も含めて使える時間は約10~20分程度だと思います。それ以上の時間をかけてしまうとおそらく赤字です。

しかも、当然ですがコンペ形式では採用の確証がないので、もう少しかける時間は短縮すべきで、この案件は5~10分くらいの時間で全てを完結させることが望ましいというふうに、お金の面では考えられます。

依頼内容は情報が少なくて特に〇〇が嫌だった

価格の提示額に大きく幅があることから分かるように、依頼者に関しても幅があって、詳細にプロフィールのある方から、ノープロフィールでロゴ制作の依頼に関する情報だけ載っている場合があります。

下記記事でも書いたのですが、依頼者側が入力必須になっている情報というのは限られているので、それだけの情報だとコンセプトが固め切れず、ありきたりなロゴになってしまう場合なども多いです。細かくイメージやコンセプトなどを書いてくれている方もいますが、会社名すら書き忘れている方までいます。

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依頼という点で個人的にコンペで特に嫌だなと思ったのが、依頼に関しての”追記”です。

コンペが開始された瞬間からその情報に合わせてデザイナーがロゴを制作して提案していきますが、募集期間内に依頼者からのロゴ制作の内容に関する追記コメントが掲載される場合があります(30%位の確率)。

「ロゴのデザインは◯をメインにして、文字を中に入れるようにしてください。」
「ロゴの見本を作ったので、これをアレンジして作ってください。」

おそらくデザイナーが提出してきた作品を見て気づいたりしたものだと思いますが、こういう重要な情報を後出しする例が非常に多いです。この様な場合、先に提出されているデザインの中からは確実に採用されないワケで、デザイナーがロゴ制作にかけた時間もアイデアも全て無駄になってしまいます。

個別にご依頼いただいている場合にはデザイナー側からしっかりとヒアリングをして、クライアントの方のイメージと離れない様に制作しますし、修正があれば快く応じていいロゴに仕上げていきますが、採用確約がないコンペで情報を後出しされると1人のデザイナーとして非常に腹が立つのは間違いないです。

もしクラウドソーシングのコンペに参加しようと思っているデザイナーの方は、募集期限が近いコンペに参加するのがいいと思います。流石に残り1, 2日でコンセプトが大きく違う事を提示される事は無いはずです。

コンペに応募されているロゴデザインについての率直な感想

デザイナーとして他の方のロゴ作品に口出しするのはおこがましい部分もありますが、客観的に見て率直に感想をお伝えできればと思います。その辺りについてはどうかご理解いただければと思います。

コンペでは依頼者が非公開に設定している場合を除いて、コンペに応募されている作品を見ることが出来ます。ざっと見ていた感想として、金額が高い方が質の高いロゴや作品数自体が集まりやすいのは間違いないです。ただし、受注実績を作るためだと思いますが、低額でのロゴ募集にも応募はあります。

クラウドワークスでは、受注実績が件数で表示されたり、作品などがプロフィールに掲載されるようになっていたり、一定の受注件数を超えたりすると「Pro」と認定されたりします。こうした実績が積み重なると個別依頼が来たりするので、競争率の高くない低額コンペにも作品が集まったりするワケです。

私から見ても「いいな」と思うデザインもあるのですが、いくら”高額”といっても採用確約がないコンペ作品に1つ1つ時間をかけていられないので、長く使える事を考えてデザインしたり、業界調査等にまで手を回してデザインされていない可能性は高いと思います。”それっぽいロゴ”がどうしても多くなる気がします。

実際にコンペで採用されるロゴデザインとは?

コンペでは最終的に採用されることになったロゴ作品が参加者に提示されるのですが、正直「えっ…」という風になる作品が採用されることも少なくないです。負け惜しみと仰る方もいると思いますが、例えば他のコンペでもほぼ同じロゴを提案し続けている方の作品が採用されていたりしてかなりカオスです。

もちろん依頼者の好みや、提示されていないけど思っているコンセプトに沿っている場合などもあるかもしれませんが、デザイン的にそこまで洗練されている様には感じないロゴも選ばれる傾向にあると思います。

平均点以上のロゴを作り続けていればそれなりに採用はされますが、採用されない場合も考えると時間効率はあまり良くないですし、デザイナーが”お仕事”として考えて取り組むのはなかなか厳しいと思います。

まとめ:クラウドワークスでデザインコンペに参加してみた体験談・感想

今回は実際にクラウドソーシングでコンペに参加してみた体験談・感想をお伝えしてきました。

依頼者側としてクラウドソーシングのコンペに参加予定の方も、デザイナーがどういう気持ちで作っているのか分かると、クラウドソーシングで依頼しようかどうかということがわかりやすいと思いますし、デザイナーとしてコンペに参加しようという方にも現状をお伝えできたのではないでしょうか。

とにかく、コンペはいい作品を出せば採用されるというわけではないので、時間効率はあまり良くないですし、情報が十分ではない上に後出しされる場合があるのでモチベーションが湧きずらいという点で、デザイナーが副業などの仕事として空き時間で参加するにしてもそこまでおすすめではないです。

ただ、どういうクライアントの方かどういう作品を求めているのかという市場調査的な側面や、いつもの自分とは違ったスタイルのロゴを作ったりするある意味の練習の様な感覚で使うのにはアリだと思うので、参加されてみるのも1つの手だと思いますよ。入りびたるのはおすすめ出来ませんね。