ロゴが10万円以上する理由を解説|デザイナーの裏事情と料金相場

ロゴマークって高いなって感じたことありませんか?

自分の普段の生活の中でのお買い物であれば、どんなロゴであれ、確かに高級なお買い物に含まれる類の品物だと思います。どんなにクラウドソーシングで安く頼んでも3,000円はするでしょう。飲み会に行けます。

デザイナーさんをフォローしている少しデザインに興味があるであろう人達が思う「ロゴの価格」では「5万円」という回答が最も多いですが、5万円って普通にかなり高い買い物ですよね?ですが、ロゴのデザイナー側から見ると「5万円のロゴ」は相当安い買い物に見えてしまいます。ココに認識のズレがあるんですね。

今回は「なぜロゴが10万円以上するのか?」という事をテーマにデザイナーの働き方を解説していきます。

フリーランスのデザイナーが会社員並みの給料を稼ごうと思ったら…

まずは分かりやすい様に、デザイナーと会社員を比較しようと思います。

会社員:月給30万円(手取り23万円)

例えば会社員が月の給与30万円(手取り23万円)をもらっているとして、フリーランスのロゴデザイナーがそれと同じような給与を稼ごうと思ったら1つのロゴをどういう価格設定にするべきか考えてみましょう。

試しにクラウドソーシング・格安ロゴ制作で見かける「ロゴ:3万円」の場合を考えてみます。

単純計算で言えば、3万円のロゴを月に11個売れば33万円が手に入るので、社会保障+税金を引いて恐らく同じくらいの手取りになると考えられますが、会社員と違って持ち出しの経費を考えなければなりません。

ちなみに、フリーランスは社会保障も会社が半分出してくれるワケじゃないので、全部自腹です。

簡単に経費を考えると「事務所代・PC類・ソフト(Adobe CC)・光熱費・通信費・書籍費・フォント使用料・サーバー代・ドメイン代金・会議費etc…」ぱっと思いつくだけでこの辺りの経費がかかってきますね。

自宅で仕事している場合には事務所代はかからないですし、Webサイトを持っていなければサーバー代・ドメイン代金はかからないですが、自宅で仕事をしている事を前提にしても、大体下記の金額がかかります。

PC類:月額5,500円(20万円で購入して3年使用換算)

ソフト:月額6,500円

光熱費:月額6,000円

通信費:月額3,500円

書籍費:月額3,000円

フォント使用料:月額5,000円

サーバー代金:月額1,000円

ドメイン代金:月額100円

会議費:月額5,000円

交通費:月額5,000円

合計:月額40,600円

わりとお安く見積もりましたが、それでも約4万円ほど毎月経費で必要です。

デザイナー:月商36万円(手取り23万円)= 会社員:月給30万円(手取り23万円)

税金の事も考慮に入れると、3万円のロゴを月に12個売れば今回想定した会社員の方と大体同じような手取りになってくるはずです。どうでしょうか、簡単そうですかね? デザイナーの方は既に気が重いはずです。

完全週休2日とすると、一ヶ月で働けるのは大体20日くらいですね。つまり、2日に1個ロゴを作って納品までしていけば可能という事です。ただ、フリーランスの場合、仕事が降ってくるわけではないので営業活動などの活動時間を考えると、ロゴづくりの方は8時間で1個作るペースでないと実際のところ中々難しいです。

8時間でクライアントの業界の事を調べて、ラフを作って、ロゴを仕上げて、プレゼンを含めて納得してもらって納品までする必要があります。当然ですけど、普通だったら修正を受けている時間はないですよね?

これが、3万円でロゴをつくるということです。

ロゴが10万円以上する理由

今のデザイナーの働き方の部分で、一般的にロゴが高くなる理由が少し伝わったと思います。

今度は依頼する側の目線で見てみましょう。

先ほど紹介した様に、例えばロゴデザインで生計を立てている人に3万円で依頼すると、全て含めて8時間位しか1人のクライアントに使える時間はありません。だから、なるべく詳細に作って欲しいロゴの形やイメージなどを伝えて、修正が無い様にしないと希望していた様なロゴと全く違う仕上がりになってしまいます。

また、3万円で仕事を受ける受賞歴のあるデザイナーはいないと思いますし、値段が安いほどクオリティーの高いデザイナーに担当してもらえる確率は低いので、最終的な仕上がりもそれなりになる場合が多いです。

一方で、10万円で依頼したとすると、デザイナーは先ほどと同じ様な収入で良ければ10日~15日で4個のロゴを作れば良いので、先ほどよりも業界の調査・ロゴの制作・修正に余裕を持って取り組めるワケですね。

それでも、3日ほど丁寧に時間をかけてロゴを作って手取りは23万円ですから、10万円でもデザイナー側からすると非常に安く感じてしまうワケです。実際には仕上がりに1週間以上かかるという場合も多くあります。

なので、自分の大切な会社のロゴや大切な商品・サービスのロゴを「3万円」で依頼すると裏ではどういう工程・時間でロゴの制作が行われるのかという事を想像すると、その安さを取るのか、それとも質や時間のかけ方を取るのかという事を天秤にかけてもっと考えた方が良いという事がお分かりいただけると思います。

それでも”お高いロゴ”を買えという事ではない

とはいえ、今お話してきたのはデザイナーの裏事情なので、クライアントの方は気にしなくてもいいです。

安くていいロゴが買えるなら私もそれがイチバン良いと思います。

ただ、ロゴを買う方はプロではないですよね? だから、ロゴは信頼できる人に依頼したほうがいいです。

例えば「お肉」を買うとします。

恐らく多くの方は「お肉」に関してプロフェッショナルではないですよね?その場合、プロであるお肉屋さんや仲卸業者のお肉屋さんから仕入れているスーパー・コンビニなどを通じてお肉を入手すると思います。

ある日街を歩いていて「お肉屋さん」があったので入ってみたら、なんと牛肉が「100g:10円」で売っていました。特にセールというワケでもなく、毎日コンスタントに牛肉が「100g:10円」で売っているんです。

これってめちゃくちゃコワイお肉じゃないですか?

もしかしたら安いからといって買う方もいるかもしれないですけど、100gで10円って見た目はそれっぽいけど本当に牛肉なのかも分からないし、その価格でどうやって”お肉屋さん”が利益を出してるか分からないですよ。裏でどういうカラクリが起こってるか分からないから、普通の感覚があったらこのお肉は怖いんです。

この場合、お肉を売っている人はどういう人なのか?ちゃんと実績はあるのか?どの位の期間運営してるのか?とかいう事を調べて、買うにしてもこのお肉屋さんが信頼できるのかを考えてからにすると思います。

ただ、お肉の場合は多くの方はプロではないけども、何となく相場感が分かるからいいんです。

コレだけ安いと危ないなって分かりますから。

これがロゴの場合、相場感さえ分からないので、普通の感覚で「3万円」は”高い”ですから、それだけ払えば良いモノが手に入ると思ってしまうので、その辺りの感覚が危険だなってデザイナー側は感じています。

もちろんご予算があると思うので、3万円の予算を10万円にしようっていうのは難しいと思います。

なので、もし3万円でロゴを頼むのであれば、なるべく信用できる人を選んで頼むようにしましょう。流行っている見えない誰かからコンペで募集するよりも、誰かを選んで依頼した方がWin-Winになるはずです。

予算を変えるのではなく、選ぶ人・買う場所をしっかり考えて変えましょう。

まとめ:ロゴが10万円以上する理由とデザイナーの裏事情

今回はロゴの価格の理由とデザイナーの裏事情をリアルにご紹介してきました。

色々と計算してきたことや価格の付け方は、今回はあくまでも時給とか月給ベースの考え方であって、同じ労働時間でもロゴを作る企業の規模の大きさやロゴの与える影響力の面で価格をつける考え方もあります。

ただ、どちらにしても予算によって、どういう風にロゴが作られるのか・どんな環境でロゴが作られるのかが変わってくるのは間違いないので、ぱっと見の料金やロゴの見た目の感覚だけでなく、色々な部分に神経を回してみると見えてくる世界があって面白いですよ。ぜひ色んな企業のロゴを見比べてみてくださいね。

アラキ ダイチ

ロゴづくりは信頼できる人に依頼するようにしましょう!